[防府・海田バイオマス発電所プロジェクト]

施工担当も事務方も皆が支え合う現場 ワンチームで乗り越えたミッション 施工担当も事務方も皆が支え合う現場 ワンチームで乗り越えたミッション

2005年の入社以来、事務方一筋。資材調達のエキスパートとして、さまざまな現場に携わってきたのが中野慎輔だ。現在は、資材関係の承認や確認、新人教育等、多彩な業務をこなす。そんな中野を大きく成長させてくれた、思い出深いプロジェクトが「防府バイオマス発電所」の建設工事だ。ここ数年、プラントの維持・メンテナンスを中心に実績を積み重ねてきた中電プラントだが、このプロジェクトには、社の技術力の再構築を図り、今後の工事受注に繋げるという大きなミッションが掲げられていた。
防府バイオマス発電所(以下、防府発電所)は、建設工事の全てを中電プラントが担い、約30名の施工専門スタッフと中野を含めた2名の事務方が約1年間、工事所に詰めた。現場での中野の業務は、労務や警備の管理、建築に必要な材料・部材の調達、工事用のクレーンの手配やリース、在庫管理まで多岐にわたった。
それまでも資材調達の経験は積んできたが、防府市で協力業者を探すことに苦労した。リース関係、資材関係など10数社と交渉し、現場が工期通りに運転できるように調整に奔走した。「メンテナンスなど保守作業と建設現場では、仕事の進め方が違う。この現場で仕事ができた経験は大きい」と話す。

しかし、綿密に計画を立てていた中野にも時にトラブルは降りかかる。工事に必要なセメントモルタルが手違いで納品されていない事態が発生。当日中に工事を終えないと、工期に大幅な遅れが出ることから、中野は自らトラックを運転して業者のもとへ向かった。中野の咄嗟の判断と行動で工事は無事に終了し、事なきを得た。
建設工事の現場に入り、自分の領域外の仕事にも積極的に関わるようになった。それ以外にも工事スタッフの書類作成のフォローなども率先して行った。防府発電所の工期を終えた時には、施工スタッフと事務方の信頼関係はさらに強くなり、まさに“ONE TEAM”と呼ぶにふさわしい強いチームが完成した。
中野は、このチームと共に海田バイオマス発電所の工事にも参画している。「防府での経験があったから、全て順調に終えることができた」と言う。実は、「事務方の仕事じゃないけども」と中野は笑うが、少しでも現場の役に立ちたいとフォークリフトの免許も取得していた。
今も防府発電所や海田発電所の近くを通るたびに「これはお父さんたちが造ったんだ」と子どもに自慢しているそうだ。「工事がスタートした2017年はカーボンニュートラルに対する世間の関心も低かったが、何年も前から、先を見ていた当社のすごさを感じた」
中野の言葉から感じられるのは、プラント建設という範疇だけでない、将来の社会インフラを支える仕事への誇りに他ならない。

調達部 
資材担当サブマネージャー
中野 慎輔

2005年の入社後、岡山支社、中国電力株式会社への出向を経て現職。
現在は、資材調達の業務に従事しながら中期経営計画の取りまとめにも参画。

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